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図録|河井寛次郎と棟方志功 日本民藝館所蔵品を中心に

¥2,500 税込

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2016年7月6日[水]-8月28日[日]
「河井寛次郎と棟方志功」展の公式展覧会図録

サイズ:296 × 210 × 23 mm
ページ数:299p
発行:千葉市美術館
※チラシ画像は参考画像のため、図録には付帯いたしません

■展覧会概要
民芸運動の創始者として世界的に知られる柳宗悦(1889-1961)が創設した日本民藝館には、その考えに賛同し、支えた個人作家の作品が収蔵されています。柳の思想に共鳴した陶芸家・河井寛次郎(1890-1966)と板画家・棟方志功(1903-75)は、よき協力者として柳を実践面で支えた作家たちでした。柳が唱えた「民芸」の考え方は、さまざまな人々や社会に影響を与えましたが、全国各地の職人たちが作り上げた「もの」の美しさから学び、尊んだ河井や棟方のような個人作家の存在は、民芸運動の推進役となって活動を支えました。

河井は1921(大正10)年に中国をはじめとする古陶磁の技法に精通した新進の陶芸家として登場しました。しかし、自らの個展開催中に柳が朝鮮半島で収集した李朝(朝鮮時代1392-1910)の陶磁器の展覧会を見たことによって、技術偏重の姿勢を反省するようになりました。やがて二人は出会い、河井の後輩であった陶芸家・濱田庄司(1894-1978)とともに「民芸」という言葉を創案しました。

1936(昭和11)年、民芸運動の拠点として東京・駒場に日本民藝館が開設されます。民藝館の建築中に棟方は当時としては大作の板画《大和し美し》をきっかけに柳たちと出会いました。その後、制作のジャンルは異なりながらも河井と棟方は生涯を通して、師弟として相互に影響を与え合うことになります。河井と棟方、そして柳の交流は日本民藝館のあゆみそのものでもあったのです。

日本民藝館が所蔵する河井と棟方の作品は、柳という稀有な思想家がみずからの眼によって収集し、展覧会や出版物で紹介した作品が中心です。その中には、棟方が河井に捧げた板画《鐘溪頌(しょうけいしょう)》をはじめ、二人の芸術家を語る上で欠かせない作品が数多くあります。また、棟方の作品は柳の案によって河井、濱田をはじめとする個人作家や職人たちの協力を得て表装が施されたものもあり、他のコレクションには見られない特徴となっています。

2015年は棟方の歿後40年、2016年は日本民藝館の創設80周年であり、河井の歿後50年です。本展は日本民藝館が所蔵する二人の芸術家の貴重な作品を中心とした約240点によって、日本の美術史上稀な芸術の共鳴と、その機会を生み出したひとりの思想家の眼を紹介するものです。

*棟方志功は、板の生まれた性質を大事に扱い、木の魂をじかに生み出すために、「板画(はんが)」という言葉を用いています。

■目次
ごあいさつ 
柳宗悦の邂逅−河井寛次郎と棟方志功をめぐって /杉山享司
図版
1.「誕生歓喜」
2.日本民藝館と「クマノコ」
3.ほとけ
4.『火の願ひ』
5.いのち
6.茶韻  
棟方君 /河井寛次郎(再録)
河井家にとっての「ムナカタさん」 /鷺珠江
河井寛次郎先生 /棟方志功(再録)
詞の人・河井寛次郎 言霊の人・棟方志功 /石井頼子
陶芸家・河井寛次郎 /諸山正則
ふたつの茶会−棟方志功の「実験茶会」と柳宗悦の茶会− /藁科英也
年譜抄
参考文献抄
作品リスト

河井寬次郎と棟方志功  日本民藝館所蔵品を中心に
 美術は理想に迫れば迫るほど美しく、工藝は現実に交われば交わるほど美しい。
 − 柳宗悦『工藝の美』
https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/16-7-6-8-28-1/

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