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大小島真木 アートブック『鯨の目』

¥4,950 税込

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大小島真木により2017年から制作が始まった「鯨の目」シリーズ。
海洋探査船のTara号の乗船中、海で鯨の死体と出会うところから物語は始まります。
2年の歳月を経て、国内海外含め様々な会場での展示をする中で、
全6体の鯨作品が生み出されてきました。
本アートブックではそれらの作品とともに、
鯨の目シリーズとその周辺を補完する、様々な展示・作品が収録されています。
メモランダム(解説)には小金沢智氏を迎え、
さらに本シリーズの生みの親とも言えるアーティストの日比野克彦氏、
また、海洋の動物プランクトンの生態学を専門とする、
津田敦氏にも作品への寄稿をしていただきました。
人類学や生物学に触れながら制作する作品は、
ビジュアルブックとして美術ファンはもとより、
様々な人に楽しんでいただける一冊です。

アートディレクション・編集:丸山 晶崇(TO inc.)
メモランダム:小金沢 智(太田市美術館・図書館学芸員)
テキスト:津田 敦/日比野 克彦
協力:伊藤 悠(アイランドジャパン株式会社)
印刷・製本:株式会社シナノ
発行:museum shop T(TO inc.)
仕様:カラー80ページ A4サイズ 上製本
言語:日・英バイリンガル
初版

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海があり、雲を作り出し、雨を降らせ、 山に染み込んだ水は土にろ過されて、
生きものの飲み水となり、体内に入っていき、
山はまた川を作り、川の水は海へと注がれていきます。
この大きな循環は血液の働きのようで、シナプスの交感神経のようで、
私達の身体の中でも起こっているように感じるし、
それは銀河系の中でも、地球を一つの細胞にしながら、
行われているようにも思うのです。

私は長く森について描いてきた人間だったので、
この鯨の目シリーズを通して、海と陸が交わり、
地球の全体が現れ始めてきたように思っています。 

偶然見かけた鯨の亡くなった身体が、私の意識に入り込み、
私を精神の遥かなる冒険に旅立たせました。
八百万の神さまや、魑魅魍魎と呼ばれる自然界のゴーストが、
私という身体を肉体にして、動き回っているかのようです。
私もまたその憑依を楽しみ、それらの視点を学び、
たくさんの人を巻き込みながら、楽しんできたのです。

鯨の目シリーズ、極大と極小を併せ持つ彼らの身体と魂に、想いを込めて。 

大小島真木

■プロフィール
大小島真木(おおこじま まき)
現代美術家。1987年東京生まれ。異なるものたちの環世界、その「あいだ」に立ち、絡まり合う生と死の諸相を描くことを追求している。インド、ポーランド、中国、メキシコ、フランスなどで滞在制作。2014年にVOCA奨励賞を受賞。2017年にはアニエスベーが支援するTara Ocean 財団が率いる科学探査船タラ号太平洋プロジェクトに参加。2021年「ククノチテクテクマナツノボウケン」KAATで舞台美術を手がける。 主な参加展覧会に、「いのち耕す場所」(2019年、青森県立美術館)、「瀬戸内国際芸術祭-粟島」(2019年)、「Re construction 再構築」(2020年、練馬区立美術館)、「コロナ禍とアマビエ 」(2022年、角川武蔵野ミュージアム)、「地つづきの輪郭」(2022年、セゾン現代美術館)、「世界の終わりと環境世界」(2022年、GYRE GALLERY)。主な個展に、「鳥よ、僕の骨で大地の歌を鳴らして」(2015年、第一生命ギャラリー)、「L’oeil de la Baleine/ 鯨の目」(2018-19年、フランス・パリ水族館)。主な出版物として『鯨の目』(2020年、museum shop T)など。

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